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INTERVIEW

杉山理 理事長
すぎやま内科

地域医療を守るとともに
心不全の治療と研究に尽力

地元の患者さんが20年以上通い続ける、内科、循環器科、アレルギー科、老年内科のドクター。
クリニックの特徴や運営、力を入れている研究などについて伺いました。
名古屋大学大学院卒業後、同大学文部教官助手・講師、中日病院老年科科長、財団法人応用生化学研究所臨床生化学部部長を経て、1999年に名古屋市で「すぎやま内科」を開業、2006年に移転。2010年に同研究所理事長、2015年に公益財団法人応用生化学研究所代表理事、2023年から同研究所理事長代行、2025年から代表理事を兼任。アルツハイマー病や遺伝子治療などの研究・講演活動も精力的に行う。ニューヨーク科学アカデミー会員。アメリカ心臓協会評議員。著書に『アルツハイマー病Q&A 脳細胞はなぜ消えるか』(風媒社)などがある。

かかりつけ医としての厚い信頼と、医師同士のネットワークが特徴

50代を迎えた頃、60歳以降の働き方・暮らし方を見据え、地域に根ざした医療に携わろうと独立開業の道を選びました。1999年に名古屋市・池下駅の目の前に開院、2006年に駅直結ビルの医療フロアに移っています。ほかのクリニックや薬局も入居している医療フロアはセキュリティーが良く、以前から気にかけていたところ、たまたま空きが出たのでこちらに引っ越してきたのです。
患者さんは開院当初から通っている方が多く、全体の6割ほどを占めますね。年齢を重ねて通院しづらい状況の方も増え、訪問診療のニーズが高まってきました。そこで訪問診療の時間帯を週1回から2回に増やして対応しています。
また、これまでの歩みを通して信頼のおける医師とのつながりを築いてきました。そうした人的ネットワークを活かし、様々な基幹病院と連携していることも特徴です。当院に診察に訪れた患者さんが、もし必要ならばここから救急搬送するケースもあります。昼間だけでなくたとえ夜中でも受け入れてもらえる病院があることは、患者さんにとっても当院にとっても安心です。

クリニックの設計・施工は、開業時も移転時も阿部建設が担当

阿部建設の阿部社長とは共通の知人の紹介で出会い、開業時・移転時ともに設計・施工を依頼しました。建築分野には詳しくないので、基本的にはお任せでしたね。私から要望したのは「ゆったりしたイスを置きたい」「診察室と受付の間の壁に小窓を設けたい」ということ。イスについては、患者さんにリラックスしてもらうとともに、腰痛や膝痛があっても座りやすいように、いわゆる“重役イス”を置きたかったのです。そうしたイスを取り入れているところは当時では珍しかったと思いますが、これが点滴を打つ患者さんに大好評!「癒しのイス」と呼ばれているんですよ。あまりに人気で、当初の2台から4台に増やしました。最近はイスに座って心電図をとる方もいらっしゃいます。横たわるのがつらい患者さんもいますから、そうした場合にも役立ちます。
「壁の小窓」は開院当時、受付とのカルテのやり取りに使っていて便利でしたね。ただその後は電子カルテとなり、個人情報を扱う関係もあって利用しなくなりました。また、初めのうちは院内で調剤をしていましたが、医療フロアに薬局ができて以来、調剤スペースも不要になったため、その分ベッドを増やしています。
歳月の経過とともに運用が変わり、手狭になったり必要なくなったりしたものもありますが、阿部建設はもともとの柱や梁など建物の構造上の制約がある中、うまくレイアウトして施工してくれました。

運営面では働き方改革を推進。新たなシステムを導入して業務を効率化

クリニックの運営については、これまで医療事務スタッフのシフト調整が問題でした。出勤日と業務内容のバランスをとるのが難しかったのです。これを解決すべく、間もなく電子カルテシステムを刷新。業務のさらなる効率化を図ります。スタッフが有給休暇を含めて休みをスムーズにとれるように、システムを整え、公私充実する働き方の実現に向けて動いているところです。

がんの遺伝子治療の研究と社会実装にも力を注ぎたい

実は開院当初、クリニックの経営は「20年間継続できれば」と思っていて、きりのよい2020年までと考えていたのです。ところがご存知のように、2020年から新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい始めます。これが一番の波乱でしたね。この感染症が5類に移行されるまで、ワクチン接種に対応しつつも立ち止まったような状態でした。今後、家族が継承するかどうかで状況が変わりますが、経営方針について改めて決めたいと考えています。
また、私が力を入れているのは診療だけでなく、研究も重要な柱です。2000年頃に取り組んでいた経皮吸収型VitaminCでは研究メンバーが特許を取得。これを配合した化粧品が大手化粧品メーカーから発売され、2004年日本美白大賞に輝きました。特許権の満了後は、ビタミンCとコラーゲンの関連から肌の老化予防としても使われ始めています(※1)。2009年には、超高齢社会に備えて病気を正しく理解してもらおうと著書『アルツハイマー病Q&A 脳細胞はなぜ消えるか』(風媒社)を出版しました(※2)。そして代表理事を兼任している、老化防止、生活習慣病、遺伝病の治療などに貢献する公益財団法人「応用生化学研究所」では、細胞・遺伝子研究に取り組み、その結果を発表する講演も行っています。
今後は、既存の薬の中でもよく効くものについて検討を進めていきたいと考えています。たとえば前立腺肥大症の特定の治療薬が、認知症のリスク低下に役立つ可能性が示唆されているように、効果が見込める、今ある薬をうまく活用することが重要だからです。
さらに先日、公益財団法人また古くからの友人との研究と連携して乳がん細胞の増殖抑制剤・乳がん治療剤を考案し、2025年2月に特許が認証されました。今後はこれを社会に還元していくことが目標ですね。

※1 当時の特許取得者による、ビタミンC誘導体「ビタミンCエチル」を配合した基礎化粧品や美容液が株式会社日本ハイポックスから販売されている。 ※2 『アルツハイマー病Q&A 脳細胞はなぜ消えるか』(杉山理・恒川幸司 著、風媒社):現代社会の最重要テーマの一つ・アルツハイマー病について理解を深め、予防につなげるための著書。この病気の原因、認知症の種類、老化のメカニズムなどについて分かりやすくQ&A形式で説明。

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