小林内科 小林院長 - 医院・クリニックの建築をトータルサポート|ドクター建築ラボ@NAGOYA
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INTERVIEW

小林 邦生 院長
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2025年に創立50周年
地域医療や地域連携に一層注力

2009年に継承したクリニックで、内科・消化器内科の診療に携わるドクター。
開業に至るまでの経緯、阿部建設を知ったきっかけ、今後の展望などを伺いました。
名古屋市立大学医学部卒業。名古屋市立緑市民病院内科、磐田市立総合病院消化器科医長、愛知医科大学病院消化器内科医員助教、愛知医科大学内科学講座助教を経て2009年に医療法人忠恕会小林内科理事長。
2022年から名古屋市北区医師会会長、2024年からは愛知県医師会理事を務める。

市立病院や大学病院を経て先代からの医院を継承

父が1975年に無床診療所を開院し、その後、医院と住居を併設する今の場所に移りました。私はもともとパイロットになりたかったのですが、視力の問題で断念。車好きだったことからレーサーを目指すつもりでした。すると父が「何になってもいい。ただ、レーサーだけはやめた方がいい」。結果的に医学部に進学し、医師の道を選びました。
医師になって10年ほど経った頃、父が突然「あと5年で辞める。継がないなら閉院する」と宣言したのです。私は当時、大学病院に在籍し、“これから”というタイミングでした。葛藤はありましたが、医院の継承を決めました。

「OMソーラー」について調べるなかで阿部建設を知り、即訪問

開業に当たって課題だったのが、医院の建物をリフォームするか、建て替えるのか。リフォームの場合も費用は予想以上にかかり、耐震性や断熱性を高めたかったので、建て替えることにしたのです。
前提として、環境に配慮した建物にすること、設計は妻の知り合いに依頼することは決めていました。ある時、太陽熱による暖房と換気を行う「OMソーラー※」を建築・住宅誌で知り、その施工業者を調べるなかで阿部建設を見つけました。そして、その所在地が当院から「こんなに近いなんて!」と驚き、アポを入れずそのまま飛び込み訪問したのです(笑)。
突然でしたが、スタッフの方は丁寧に話を聞いてくれました。設計士が決まっていても問題なく、こちらの様々な要望に応えてくれそうと感じてお願いしました。OMソーラーは補助金を利用でき、その申請にはスタッフの方が大阪まで同行してくれ、話はとんとん拍子に進みましたね。阿部建設は断熱性など建物の性能にも力を入れており、快適な空間づくりを一緒に目指しました。

※冬は屋根パネルで太陽熱を取り込み、その空気を下に送ることで床下を温めると同時に、家の換気も行います。夏は夜間に屋根パネルで冷やされた空気を床下に送る放射冷却効果で、家全体を冷やします。

冬は暖か。換気の効果も。建て替えは患者さんにも好評

完成した医院は、患者さんに加えて通行人の方からも好評でした。通りすがりに「おしゃれな建物だね」という会話が聞こえてきたこともありますね。
OMソーラーを取り入れ、断熱性能も向上したため、冬はやさしい暖かさ。夏の夜は涼しくて快適ですね。設置後毎年、温度管理データをメーカーに報告するのですが、当院の場合は効率が良いそうです。実はパネルの設置角度が緩やかなため性能面を心配していましたが、予測より効率の良い結果が得られています。建物の換気もされるため、患者さんから「空気がこれまでと違う」という声もありましたよ。

少しでも良くなったと感じられ、癒しとなることを目指して

医院の運営について私が気を配っているのは、患者さんが少しでも「良くなった」「気分よく帰れる」と感じられるようにすることです。言葉や接し方も含めて、ここに来ることが “癒し”になれば…と思っています。
大学では西洋医学のみを学びましたが、薬で治すだけが医療ではありません。今、平安や江戸の時代から伝承されてきた医学も学びながら、現代に通じるものは何か、医学だけで太刀打ちできないことの奥にあるのは何か、などを考えています。食や生活スタイルも含めて捉え、個々にあった診察・治療を心がけています。
父の背中を見ながら、「自分ならもっとうまくやるのに」と思っていましたが、いざ開業したら父にはなかなか届きません。大きな組織の一員と、スタッフを雇用し経営を担う立場とではやはり大きく異なりますよね。それでもありがたいことに、患者さんは開業当初から1.5倍ほどに増えてきています。

地域の人々の健康づくりに貢献。今後も時代に合った医療を提供

また、地元の名古屋市北区医師会の副会長と会長を経て、今は愛知県医師会理事を務めています。医院の患者さんだけでなく、地元の人々が少しでも健康になるよう努めたい。クリニックと病院がそれぞれできることを拡充し、顔の見える関係を築きたい。そうした思いで、地域医療・地域連携に力を入れているところです。その一つの活動として、自身の既往症などを書き込める「じぶんカルテ」というパーソナルヘルスレコードを提案しています。
2025年は父の開院からの創立50周年です。今後は人口減少も見込まれるなか、時代に合った医療を提供していきたいと考えています。

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